• 木原浩勝/九十九怪談 第八夜

     これが第一弾ではなかったような気がするも、もう覚えてすらいない。
     ともあれ、これから再掲していく。

     最近の木原氏の怪談は全く怖くない。
     怖くないどころか、新鮮さやユニークさ、更には面白さもあまり無く、要は見所がほとんど感じられない。
     この本でもそれは一向に変わらなかった。

     「霧」社内からは霧に、そして外からは煙に見える、というのは不思議だ。
     一体何なのかは想像もつかないけれど。

     「寸志」これもどういう現象なのか、原因も判らないしただただ不思議。
     家に纏わることなのかと思っても、元々この三男の寸志のみ隠す由来が思いつかない。

     「勝手口」が移動したりそれを退治したりと、これまた何とも妙な話。
      釣り竿が置いてあるなど、この家では日常化していることが窺われ、それをある程度受け入れてしまっているようなのも興味深いところだ。勿論、これまでに何とかしようとしたけれど成果を上げられていないだけかもしれないけれど。

     「どしゃ降り」語り手だけの話であれば昼寝で見た夢、ととれなくも無いものの、ご両親もそれに対応する現象に遭遇している、という貴重な事例だ。

     「泡」底の黒い闇に引き込まれていってしまったなら、一体どこに連れて行かれてしまうのだろう。

     「ドロ団子」小さな子が相手なので何とも言えないところはあるのだけれど、一体何が起きていて、どうして平常に戻ってしまったのか。記憶も失われてしまったのは何故なのか。数々の疑問が残る。

     「三人の男の子」は左程不思議な怪では無いものの、多数の人間が目撃している、という事例ではある。

     「名札」余程きっちりとした子供だったのだろうか。その几帳面さが妙に印象に残った。

     「首」確か以前にも東南アジアの話として、首が空中を飛んでくる、という話があったように記憶している。そいつは悪霊か何かではなかっただろうか。
     あちらでは心霊現象、というと真っ先に飛ぶ首、が連想されるのかもしれない。
     こうしたものにもお国柄が出るというのは、怪談とは何なのか、ということを考える上で、とても興味深い。

     百話(表記上は九十九話)あるわりに、かようにに印象に残った話の数も少ないし、それぞれもかろうじて、といったところで強烈なものなど皆無だった。
     怪談は最終的にネタ次第、といったところもあるので、買うのを止めてしまう、ということは出来そうにないけれど、もう期待するのは止めよう。

     最早彼は過去の人、そういうことなのだろう。

     元投稿:2015年9~10月頃?

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