大分以前の本(2015年刊)なので、過去に読んだことがあるものなのかどうか、気にしながら読んだけれど、結局判らなかった。
松原タニシ氏の話には一部聞き覚えはある。
しかし、他の本でも書いている、とのことなので、そちらを読んだだけなのかもしれない。
まあ、新刊として読め、楽しめた、というなら、何も問題は無い、ということではある。
全国の心霊スポットに行く(もしくは住む)、というのが主たるテーマなので、そう怖いことは起きないし、他に紹介される怪談も左程強烈なものは無い。
「新タニシ伝説 その2」確かにプロのカメラが撮影途中に突然壊れる、などそうあることでは無いだろう。
絶対無い、と言えることでもないのだけれど。
「心霊レントゲン」病院のレントゲン写真に、女性の顔が写る。
これはもう紛れもない上、証人も何人も存在しているものなので、信憑性は高い。
何でまたそんなところに写り込もうと思ったのか、もしくは写ってしまったのか、何とも興味深い。
「物に干渉する霊とは」これは著者の目の前でトイレの鍵が閉まり、シャワーの水が出てしまう、という貴重な体験例。
もう偶然とか気のせいとかいったことは全くあり得ない。
プッシュ式の鍵が、自然に閉まってしまうことも考えられない。
凄い内容ではないけれど、疑いようのない物理的な怪異。
考えさせられる。
そして、自分としては絶対に体験したくない。どうにも心理的な逃げ道がないので。
怪談の後に、著者の講釈が附属している。
これが全く要らない。
通り一遍のことしか語られないし、怪異をどう捉えるか、というのは読者に委ねるべき。
むしろ興が殺がれる。
心霊スポットなど、今や行く方法もないので、こうして紹介してくれると、雰囲気だけでも味わえるのが有難い。
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北野誠 竹書房 2015年04月