鈴木呂亜/実録都市伝説~社怪ノ奇録


 これは怪談では無く、都市伝説や偶然の産物についてまとめた本。
 元々は嫌いでは無い、というより有り体に言ってかなりの好物ではあるのだけれど、既に単著だけでも何冊か出してきているせいか、ネタがかなり小粒ばかり。
 アメリカ50州全てのエピソードを紹介する、という取り組み自体は大変なことだし評価したいところではある。
 ただ、残念ながら肝心の内容がさほど強力とは言えず、しかもその州ならでは、というものでも無いものがほとんどでその醍醐味を味わう、というには至っていない。残念だ。

 「アラスカ州」で一年間に2,800人もの人が行方不明になっているとしたら凄い話だ。ただ、行方不明になるのが地元の人間と限ったものでは無いから二百人に一人、というのはあまり意味の無い数字に思える。

 「偶然にしてはあまりにも」偶然の一致、という話はこの手の本にはよくあるものではあるけれど、やはり興味深い。特にその一番最後のエピソードは、通常では考えられないレベルで繋がっており、何か因果でもあったのでは、と考えたくなってしまう。それにしても、こうしたネタ、それを見つけ出した人が凄い、とも言える。どうやって発見するのだろうか。

 「あなたの死因はあまりにも」も単なる偶然、と考えるべき内容ながら、その奇妙さは充分に面白い。

 いわゆる怪談本の中にこの手の話がいきなり紛れ込んでいたら違和感が拭えないところだけれど、こうしていわばその道の専門家がネタをふんだんに提供してくれる、というのは、そのつもりで接するならそれなりに楽しめるものだ。
 もう少しネタをぎっちりと集めてもらって驚くような話を楽しませて欲しい。

 

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