いやあ、たまげた。
やはりアニメはちゃんと観て判断しないと駄目だ。
正直、第一話の際には、期待感はそれこそゼロだった。
いかにもラノベらしい題名だし、スタッフもシリーズ構成の横谷昌弘以外、監督含め全く知らない。
絵は相当に可愛く萌え要素としてはすぐに合格点を与えられたものの、綺麗な娘たちと主人公がちょっとエロい絡みでもしながら適当なストーリーを展開していく、よくある萌えアニメの典型に見えてしまったからだ。
冒頭からギャグ要素が強かったこともあり。
スタッフ重視で事前評価、と言うか期待を抱いていく自分にとっては、ほぼ惹かれる要素が無かった。
ところが。
珍しく一時間スペシャルでたっぷりと放映された第一話を見終わる頃には、そんな事前情報など関係なく、もうどっぷりと虜になっていた。
冒頭から登場するシリアスなシーンは緊迫感があり、ギャグ要素とのギャップが激しく一体どういうことなのか気になって仕方なくなる。
ゲームのバッドエンドもので殺されては繰り返し生き返りリトライする。
しかし、毎度新たな壁にぶち当たり、あえなく挫折。
この挫折の過程がかなりきつく、主人公も相当に格好良すぎる面も当然のように持ち合わせていながらも、逆にかなり醜い面もさらけ出すことがあり、手酷くやられてしまうこともしばしば。
それだけに、再挑戦でそれを乗り越えていく時に得られる快感もまた大きくなる。
ストーリー自体意表を突かれることも多く、えっ、こんな死に方をしちゃうの、と何度も驚かされた。
ドラマの予想も全くつかず、毎回次の展開が楽しみでならなかった。
最近のアニメでここまで一週間を待ち遠しく感じるものなど、久しくなかった気がする。
まだ原作自体終わってはいないようで、設定の中には謎の部分も多々あるものの、それで興が削がれる、というレベルでは無い。むしろそれらの真相が楽しみですらある。アニメでやるかどうかは判らないけれど。
登場人物たちの性格もステレオタイプでは無く、皆善悪両面を持ち合わせているようでリアリティを感じる。
また、基本「良い人」が多い、というのも観ていて気持ちが良い。
キャラクターデザインはかなり好み。ど真ん中、と言っても良いだろう。
巨乳は出てこないけれど、こうした内容であればむしろ不要。
映像もとても動きが良く、戦闘の場面などバリバリ飛び回っている印象。
2クール26話を全く長いと思わず、むしろここで終わってしまうのが残念でならない程。
本来アニメは監督で観る、タイプながら、これにはやられた。
原作をごく一部ちら、と読んだ限りでは、原作はメリハリも情景描写も弱い感じ。
アニメ化することでぐっと活き活きとした世界が描き出されることになったようだ。
無理をしてでも、最初の内ほとんどのアニメを観る、というスタイルにしていた甲斐があった、というものだ。
このスタッフたちには、今後も期待したい。