流石幾原監督、今回もよく判らん。
熊と人間の友情(愛情)というテーマも奇抜なら、熊が人に化ける、というのも奇妙。
しかも、その熊は人を襲って食べてしまう。
そんな関係なのに元々友情が芽生えたりするのはどうしてなのか。
登場人物の言動、心理、いずれもほぼ理解出来ない。
そしてお決まり、別次元と言うか神の世界と言うか何だかよく判らない謎の法廷。
ストーリー的には何とも奇天烈と言う他無い。
とても面白いどころか、展開についていくことすら難しい。
しかし、それを補って余りある映像センスには痺れる。とても補い切れるものではなさそうなトンデモ話を観続けさせる魔力が存在している。
まるで優れた建築家の建物を見ているかのような楽しさがある。
これがあるから、彼の作品は見逃せないのだ。
また、ストーリーは謎でも、いや謎だからこそか、そこに登場するギミックは実に印象深い。思わず心に残ってしまう。
謎の法廷「ユリ裁判」にしろ「排除の儀」にしろ。
ビジュアル的にも設定的にも。
ウテナでもそうだったけれど、もう少しストーリーでも楽しめるようになると最強なのだが。